鬼に金棒。本に香水。

鬼に金棒。強そうである。

本に香水。良さそうである(アホの感想)。

 

まずは本日読みはじめた本の紹介から。

『言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム』(新潮社)

モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイタ―、塩原通緒(訳)

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名古屋で有名な七五書店さんが店をたたまれるということで、この年始に慌てて利用させていただきました。その際に何冊か購入した本のうちの一冊がこれ。

この本を手に取ったきっかけは、学生時代に言語学を専攻していたこと、「ゆる言語学ラジオ」にはまっていること、小難しい本を読みたいなと思っていたこと、帯に高名な学者先生の推薦があったこと。いかに自分が俗物的な人間かが分かります。恥ずかしい限りです。

ちなみに、当日の購入本は、コレダァ(1,2,3☞)

読みやすそうかつ面白そうな一般書を買いました。どれもかなり売れている本のようですね。

読み始めたのはこちら。ポップな表紙がかわいらしいですね。

本棚の様子を公開することを嫌う向きもあるようですが、僕はむしろ好きです。

 

帯には推薦者として養老孟司先生、リチャード・ドーキンス、ダニエル・L・エヴェレットの名が踊る。ビッグネームばかりでもはやアベンジャース。そんな学者ヒーローの著作ですが、当然一冊も読んだことはありません。

 

さて。今月はすでに小説を三冊読了したので、時間のかかりそうなこの本に骨を折ったとしても、「今月の読了冊数」の足を引っ張ることにはならない。そんなくだらない打算の上、読み始めることと相成りました。

 

ここで問題が発生。エマージェンシーです。

よく考えてみるとワタクシ、恥を忍んで告白しますが、学者先生の書かれた本を読んだ経験が片手で足りるくらいの回数しかありません。果たして読みきれるのだろうか、そんな心配が頭をもたげます。

そして考え出した作戦こそが本に香水作戦だったのです。難しそうとはいえ、きっと面白いこの本。読書体験がより良いものになり、何より本そのものへの愛着が一層深まれば、鬼に金棒です。

ググったところによると、香水の成分である油が本のインクを溶かしてしまうリスクがあるようです。しかし心配ゴム用(うすた京介先生リスペクト)。なんと本日たまたま、手慰みにお手製ブックカバーを作っていたのです。ばばーーん!

先日開業したジブリパークでお土産として購入したラッピングペーパーを、ブックカバーにしてやりました。

これで前述の油云々を気にする必要はなくなったわけです。

 

さらに僕は考えました。明日デートする女の子との会話でも、今読んでいる本の話題になるでしょう。すると必然的にカバンからこの本を取り出すことになるでしょう。そうすればこっちのもんです。

①お手製ブックカバー

②いい香りがする

ことに気が付いてもらえたら、なんかいいなと思ってもらえること請け合いです。

 

ちなみに香水はこれ。とってもいい香りですよ。

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では内容の話を。

一般向けに書かれた本とはいえ、やはり言語学の知識は必要だろうと考えながらページを繰り、ひとまず序章を読んでみたのですが驚きました。ざっくりいうとこの本の主張は⇒

言語とは、「人々のDNAにインプットされた普遍的な言語能力の発露」ではなく、「ジェスチャーゲームで身振り手振りに意味を与えるのと同様に、記号に意味を与える即興的な営みを繰り返した蓄積の結果」である。

というもののようです。ふむふむ、この本が提示する理論は、生成文法に対立するものであるということが分かりました。

「普遍的な言語能力」というのが言語学でいうところの「生成文法」の考え方です。生成文法論は、言語学を語るに欠かせないトピックで、言語学者の間でも肯定派と否定派それぞれの立場があるという、非常に重要なトピックの一つです(僕も詳しくはないので、大層な説明はできません)。

要は、言語学を少しかじったことのあるような人間なら、知識の多寡はともかくとしても「生成文法」というとなんとなくイメージは共有できますし、それにより本書の論旨の説明も一気に片がつくわけです。それでもこの本の導入では、生成文法という言葉を使わずに、論旨がさらりと、かつ明確に打ち出されていました。

専門用語の使用を避けるのは珍しいことでもなんでもないのでしょうが、「生成文法」という専門用語すら使わないのなら、浅学な僕でも最後まで読めるのではないか!

大きなハードルがひとつ消滅したような気がしています。

 

この本の感想、そして明日のデートの感想はまたそのうち。